犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
体重計を見るなり駆け寄り、スイッチを入れるよりも先にしっぽをフリフリ張り切って体重計に乗る・・「どう?」と得意気な顔で見上げる犬に、「まだスイッチ入れてないよ~!降りて降りて」と私。
うちの犬は、体重計を床に置くだけで、自分から進んで体重計に乗ってくれます。ごほうび(ドックフードやおやつを小さく切ったもの)を犬の鼻先につけて、ゆっくりと体重計の方に動かすと、犬も一緒に体重計に向かって歩き出しますね。体重計に乗ったところで「えらかったね」とそのごほうびを口に入れてあげます。これを何回も何回も・・繰り返すうちに、体重計を床に置くだけで「どうすればほめてもらえるのか知ってるよ!こうだよね」と言わんばかりに自分から体重計に乗るようになるのです。
体重計を出しただけで「何するの!?」と逃げ回り、やっと抱き上げたかと思ったら腕の中で大魔黶Bもし、そんな悲しげな撫薰ノしか出会えない時間だったなら、私は確実に体重を量ることから遠ざかっていったことでしょう。
犬がそうであるように人間もまた、楽しい気持ちを抱くことができることには、やらされるのでも、義務感からでもなく、自ら進んで取り組むことができるようになります。「どう?」。体重計の上で見せる得意気な撫﨟B「もう一度量って!」。片付けようとしている体重計に慌てて乗ろうとする一生懸命な姿。「そんなに喜んでくれるなら、また量ってあげるね!」。めんどくさがりの私をそんな気持ちにさせているのは、ほかでもないうちの犬なのです。
「体重、量らせてくれてありがとう。楽しませてくれてありがとう」。体重を量り終えた後、私が犬にあげる小さなドックフードひと粒には、そんな思いが詰まっています。
実は、私がこの仕事をするようになったのも、うちの犬のおかげです。もしも言葉が通じるのなら、私はこう言うことでしょう。「わんぱくな子でいてくれてありがとう」。その言葉の意味を、次回お話したいと思います。(おわり)