[犬愛しつけ法]犬がイイコに育つおもちゃ2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

手作りおもちゃで犬と話そう(2):てんびん(第116号, 2009/7/26)

当時、私は「お弁当」にくわえて「ブタの耳」を置いて犬に留守番をしてもらっていました。ドックフードの入った封筒、ティッシュの箱、トイレットペーパーの芯を部屋にばらまき、最後に「お留守番ヨロシク・・」とブタの耳。それにかぶりついたのを見届けて、静かに家を出るのです。ところがある日・・

「このブタの耳を、トイレットペーパーの芯の中に詰めたらどうなるんだろう?」

そう思いついたら最後、私の「やってみたい!」はもう止まりません。だって私が置いていく「お弁当」の中で、手をつけられることなく残っているのは決まって「トイレットペーパーの芯+ドックフード」。その中身がブタの耳に変わったら・・

「多少開けにくくてもがんばって開けるんじゃないかな。なんてったって大好きなブタの耳だもん」。
「・・いやちょっと待てよ。中身がドックフードのときに開けないんだもの。中身がブタの耳に変わっても開けないんじゃ・・」。

ブタの耳が入っている「お弁当」からいい匂いがするのに、それをちぎって破いて開けることができなかったら、あの子はきっと困っちゃうだろうな、そんな心配をして、短いお留守番のときに恐る恐るやってみた! しかしなんのことはなし。ブタの耳が入った「お弁当箱」は見事に粉砕、しっかり完食。その横には、手つかずの「トイレットペーパーの芯+ドックフード」のお弁当。

「犬も、スキかキライか、ただそれだけじゃないんだな」。

硬いトイレットペーパーの芯を破く困難さと、中に入っているものが欲しいと思う気持ち。この2つをてんびんにかけたら、どっちに傾くのかな。中身がドックフードなら「困難さ」の方に傾いてしまうてんびんも、ブタの耳だったら逆に傾く。「“欲しい”と思う気持ちはブタの耳の方が強い・・つまりドックフードよりスキ♪ってことなんだ!」。

「犬は大抵コレが好き」という先入観なしに。「しっぽの振りから見て、こっちの方がスキだと思うけど」という推測から1歩進んで。何がどのくらいスキなのか、より正確にキミから聞き出すことができたらどんなにいいだろうとずっと思ってた。でも、手作りおもちゃでそれができるとわかってからのなんという広がり! 素材を変えて、中に入れるものを変えて、何度キミに聞いてきたかな・・「どっちがスキ?」。そしてその反応のひとつひとつから私は確信するにいたったんだ。そのスキなものが、いざというときにキミを救う大きなチカラになるってこと。(つづく)