[犬愛しつけ法]犬がイイコに育つおもちゃ1

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

手作りおもちゃで犬と話そう(1):お弁当(第115号, 2009/7/1)

買ってきたおもちゃじゃ、こうはならないんだなぁ・・。

犬を留守番させるとき、私が犬に作るのは「お弁当」。ゴハンの一部を取り分けておいたドックフードをいろいろな箱や封筒に詰めて、破いたり転がしたりしながら食べれる「おもちゃ」を作るのです。ティッシュの箱。トイレットペーパーの芯、中をきれいに洗ったヨーグルトカップ、小さな封筒、大きな紙袋・・。

ところがおもしろいことが起こります。そのうちのいくつかのタイプのものには、かなりの確率で手をつけないのです。中身はみな同じドックフードなのに、なぜあるものには手をつけ、あるものにはつけないのか。

犬は、手に入るものが同じなら、小さな労力で得られるものを選びます。だからまず、簡単に破くことのできる薄手の箱に手をつける。そのうちに、あそび疲れたか、満腹になったか、厚手の「開けにくい箱」に手をつける必要がなくなっていく。

「このタイプの箱は、留守番のときに使っても開けないんだな」。手をつけない箱はいつも同じ。だからその箱で「お弁当」を作るのはやめようかとも思ったんだけど・・。

私はあえて「難しい箱」にドックフードを詰めたものを、いくつか置いていくことにしたのです。そうすることによって時間差で2回の「お弁当タイム」ができる。お留守番開始直後に食べるのは易しい箱。あそんで、食べて、ひと寝入り。目覚めて、体を動かして、もしお腹がすいてたまらなくなったら? 多少開けるのが大変でも残った「お弁当」に手をつけるに違いない。

「これはね、おなかペコペコになったときに開けるもうひとつのお弁当だよ」。

そう唱えながらそっと置いていく「難しい箱」は、そのままの姿で残っていることの方が多いけど。でも、それが大事なんだ。だって「これに手をつけなければならないほど、おなかペコペコにはならなかったんだな」ってわかるから・・。

難しくしたり、簡単にしたり、大きくしたり、小さくしたり。いったいいくつのおもちゃを、これまでキミのために作ってきたかな。ほんの少しふたの閉め方を変えるだけで。ほんの少し絞り方を変えるだけで。それに応えるようにくるくると反応を変えていくその姿はまるで、おもちゃを介した人との「対話」。今度は中身を変えてみようか? キミからはどんな「声」が返ってくるんだろう。(つづく)