足したり引いたり（２）
犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
Ｑ．あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何？
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
足したり引いたり（２）：エール（第110号, 2009/3/16）
止まっていた時計の針が動き出す瞬間って、あるんだよな。
それは『引き算』。たとえば「どうしたら飛びつかずにオモチャがもらえるようになるか」。最初から興奮しやすい新しいオモチャでそれをするのは難しい。だから馴染みのオモチャですわるまで待って「ハイどうぞ」。「どうしたら投げたボールを取って来れるようになるか」。最初からなが～い距離は難しい。だから短い距離で「よくできたね」。
確かにそれは、妨げとなる要因を『引き算』した「成功しやすい条件」だったから上手くいっただけだけど。でもそれをしなくちゃ、私たちの時計の針はいつまでも止まったまま。
この冬、我が家が直面したのは「ウチの犬は、どうしたら洋服を着て元気に遊んだり散歩に出かけられるようになるか」。そう、カレは洋服を着ると魔法がかかったように一歩も動けなくなるのです。しかし今年こそ！ 室内外の温度差が激しくなるこの時期、洋服を着て散歩に出かけ、元気に歳を重ねさせてやりたい・・。
そのとき思い出したのが、いつかのお正月のあの一件。急にだっこを嫌がるようになったとき、フリース素材の衣類を脱いだり、化繊の敷物を取り除いていくことで、私たちと接触するときに起こる「静電気」が原因だったらしいと判明したあの一件。
「もしも洋服を着ることで、犬が静電気を感じやすくなっているとしたら？」
私はそれまで、漠然と「洋服がキライなんだろうな」としか考えていませんでした。しかし「洋服の何が？」をより具体的にするヒントが見つかったことで、無性にそれを『引き算』したくなったのです。静電気の起こりにくい洋服を着せるだけで、即座に喜んで着るようにはならないかもしれない。でも、そんな洋服を見つけることで、慣れるのに１ヶ月かかるところを２週間にすることができるなら。
「洋服を着て元気に遊んだり外を出歩けるようになろうよね！ プレゼントする洋服は、チャレンジするキミへ、私からのささやかなエールだよ」。
こうして我が家の「洋服みつけプロジェクト」がスタートしたのです。素材は？ 型は？ デザインは？ 考えていくうちに私はドンドン欲が出てきたよ・・「アレもコレも『引き算』してやりたいよなぁ」。（つづく）