[犬愛しつけ法]動物病院嫌い克服術2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

驚きの春(2):どのくらい怖い? (第92号, 2008/6/11)

「早く慣れるように2ヶ月ごとに伺っていいですか?」。新しい動物病院とのおつきあいが始まったとき、私が最初にしたのはそんなお願いでした。

フィラリアの蘭h薬は1年分まとめてもらうのではなく2ヶ月分づつ。行くたびに健康診断や肛門腺絞りをお願いし、診察台に乗る機会を作ります。先生や看護師さんに体を触ってもらい楽しく声をかけられ、そして最後に先生からごほうびを。ありがたいことに先生は、私が準備してきたレバーを、いつでもニコニコ笑いながらうちの子にあげてくださいます。

そう、「ごほうび」。私は動物病院に行くとき、一番スキなレバーだけではなく、ほかの種類のごほうびも必ず持って行きます。ドックフード、犬用クッキー、ササミ・・準備しながら、いつ、どのごほうびを使うかメージします。「診察室に入ったら緊張してドックフードは口にしないだろうから、まずクッキー。それがダメならもっとスキなササミを診察の間あげることにしよう。そして早く先生と仲良くなれるように、レバーは一番最後、先生からあげてもらうときだけに使おうかな」。

『より難しいことに、よりスキなごほうび』・・それは私の「乗り越えるのが難しいことほど、たくさんほめてあげたい!」そんな犬への気持ちを形にしたもの。そしてもうひとつ。「どのくらい怖い?」・・聞いてあげたくても決して聞けないその問いの答えが、犬から聞こえてくることがあるのです。

たとえば最初の頃、診察台の上のカレは、あまりの緊張でクッキーはおろか、ササミも口にできませんでした。「よっぽど緊張してるんだな」とレバーをあげてみると、恐る恐る口にする状態。しかしその様子は、回を重ねるごとに変わってきます。レバーなら喜んで食べる。ササミでも平気になる。クッキーでも平気になる・・。

それは一体何を意味するのか。

逃げ出したいくらい怖い気持ちと、それを乗り越えてでも欲しいもの。当初「診察が怖い気持ち」はササミやクッキーでは乗り越えられないほど大きな大きなものだった。それが今や「クッキー」でも助ェなほど小さくなり、犬の中で確かに「病院に慣れる」という変化が起きている証拠。

そんな私にしか気づかないような小さな変化を、「すごいぞ」と胸に刻みながら通うこと1年。大きな変化は、ある日突然やってきました。それはまるで、地中深く人の目に触れないところで成長を続けていた草花が「そのとき」を迎え、きれいな花を咲かせたかのようでした。(つづく)