犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
コタツでのんびり夕食をとるなんて、夢のまた夢だと思ってた・・。
ある冬の日、コタツを作ったの。床暖房の上にローテーブルを置き、コタツ布団らしき布を掛け、天板らしきものを置いた「なんちゃってコタツ」。
床暖房から上がってくる熱を集めたそのコタツを気に入ったのは、人間だけじゃなかったみたい。「あれ、うちの子は?」。犬はコタツに入り浸り。この季節には、このコタツが一番の“ハウス”なんだな・・。
「たまにはさぁ、コタツで夕飯食べない?」。だから私は、冬まっさかりのある日そう切り出したのです。「ムリでしょ、そりゃ!」間髪入れず答えたのは旦那。「あの子はどうするの?すぐ手の届くところにご馳走が並ぶんだぞ。間違えなく大騒ぎだね!」。
そうね。我が家で食事といえばきまってテーブルに椅子。ローテーブルで食事するなんて夢のまた夢だったけど・・ここは私にまかせて!だってコタツが“ハウス”なんだから。
私は「あとは運ぶだけ」状態のお茶碗とお皿を台所のカウンタに並べると、エアコンを切って部屋の温度を下げ、「寒くなってきたぞ~」と犬と一緒にコタツに滑り込みました。「犬にごほうびあげてるから、運んでくれる?」。こうして、ハウスやマットを使うときと同じように、コタツの中の犬にごほうびをあげながら食事をするのが、我が家の「食卓の風景」の1ページに加わったのです。
コタツ布団を片付けたのに、ローテーブルで食事ができた春。食事の支度ができると「ここだよね!」とローテーブルの下に走って行くようになった夏。「“まて”しててね」冷蔵庫から急いでマヨネーズ取ってくるくらいの時間だったら、犬だけを置いてその場を離れることができるようになった秋・・。
季節はめぐり、また我が家に冬がやってきた!おなかいっぱいになった食後のひととき、コタツでうたたねする私の腕を枕にして寝入る犬の体温を感じるとき、私は思う。寒い季節も悪くないな、と。(おわり)