[犬愛しつけ法]怖がりな犬のしつけ術1

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

地球の仲間(1):謎解き(第70号, 2007/11/1)

「先生、なぜ私はこんなに緊張するんでしょう?」

私はあがり症なの。大学院時代の恩師に頼まれて大学の「動物心理学」の授業で話しをしたとき、気を失いそうなくらい緊張していた私は、そう聞かずにはいられませんでした。

「小田さん、それはハビチュエーションです」。

「・・ハビ・・ハビチュ?」。頭の中「?」でいっぱいになりながら家に帰って心理学の教科書をひっくり返してみたら、ありました!「馴化」の章にこんな話しが載ってたよ。

「反応を誘発する刺激が繰り返し呈示されれば、その反応の強度が減少する」「馴化の後、刺激をある時間与えなければ、反応は回復する」

人前で話す機会が年に1度ではなかなか慣れない。しかし、短い期間に繰り返し経験すれば“馴化”して、あんなにドキドキしなくなるってことか・・。

それを確かめる機会は意外と早く訪れました。2ヶ月の間に5回の講義をする機会に恵まれた私は、回を重ねるごとに平常心でいられるようになったことを身をもって実感し、「おぉ、これがあの“ハビチュエーション”か」とやっと理解したのでした。

・・え?今日はこれでおしまいか、って?私じゃなくて、犬の話しが聞きたいって?

そうね。でも、私にとって“私の学習”は、犬を理解する上でとっても大切なものなの。だって私は、うちの犬をどんなに愛し、その気持ちをわかってあげたいと強く強く願っても、犬になって犬と同じように感じてみることは絶対にできない。そんなとき、同じキーワードでつながる“私の学習”と重ね合わせることができたなら、「人前で話をするとき緊張してたあのときの感じと似ているのかな」って少しはわかってあげられたような気がするんだもの。ほら、あの子が震え上がってたあのときのことだって!(つづく)

引用文献:メイザー, J.E. (磯 博行・坂上貴之・川合伸幸 [訳])(1999)メイザーの学習と行動 ニ瓶社