[犬愛しつけ法]留守番のできる犬にする3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

続・おばあちゃんとお留守番(3):ふたりの距離(第69号, 2007/10/21)

「ちょっと見てて!」。私たちが帰ると、母は挨拶も早々に犬の前にすわりました。

「欲しい?」。母がそう言ってドックフードをひとつ犬の前に掲げると・・なんと!口元をあげニーッと前歯を出し犬が笑ったのです。私はもう大笑いでした。母をまっすぐ見上げ一生懸命笑って見せるその不器用な“笑顔”があんまりかわいくて。視線を合わせるふたりの姿があんまり微笑ましくて。

「こんなに短い時間でよく教えたなぁ。お母さんやるなぁ」。その数日前、私は母に一度だけそれを見せていました。私が「ニーッ」と言うと、口元をあげうちの犬が笑うその姿を。

大笑いの母に「どうやって教えたの?」と聞かれ、私はこう説明したのです。「ボールを投げようとかまえると、“さぁ~来いっ!”って言ってるみたいに口元をあげることがあって、その瞬間にボールを投げてあげるようにしたらどんどん笑うようになって、投げるかまえを小さくしながら“ニーッ”って言うようにしたら、“ニーッ”の合図で笑うようになって・・」。

母は何気なくしたその話しを覚えていてくれたのでしょう。「留守番の間に」と預けたドックフードをごほうびに、「欲しい?」と言っては笑うまで待ってそれをあげる・・留守番の間に繰り広げられたその愉快な光景が、私には目に浮かぶようでした。

「たくさん遊んでもらってよかったね。お母さんに“ありがとう”だね」そう言って犬の頭を撫でると、母はちょっとはにかむようにこう言いました。「ううん、私が遊んでもらってたの。楽しかったわ」。

犬は大好きだね。「犬を遊ばせる人」より「一緒になって遊んでくれる人」のこと。おなかをかかえて笑ったり、思わず手を叩いたり・・私たちのそんな偽りのない反応は、犬との距離を縮めるアクセルだ。本当によかった。お母さんとふたりきりだったからこそできた体験。留守番がまたふたりの距離を縮めてくれたみたい。(おわり)

※ 写真は「ニーッ」ではありません!あまりに一瞬のことなので、未だその瞬間を写真に収められてはいません(笑)。