犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
「フミちゃーん、ナニナニ、ナニャ戟B新しいおもちゃ?」
木曜日の朝、「紙ごみ」を出そうとダンボールや空き箱を集めて紐で縛っていたら、元気いっぱいうちの犬が飛んで来た!
あのねぇ・・これはおもちゃじゃないの。ね、オネガイだから、このヒヨコのぬいぐるみで遊んでて・・え?これじゃダメなの?このヒヨコ、もう飽きちゃったの?おもちゃより「ごみ」がいいの?!
このぬいぐるみだって、封を開けたときには、あんなに喜んでたのに。でも確かに、2度目に渡したとき、3度目に渡したとき・・その様子を見れば、おもちゃを前にしたワクワク感が、小さくなっていったのがよくわかる。
「キミは目新しいものが好きだよね」。私にとってこれは“ごみ”。犬にとっては新しい“おもちゃ”。まったくキミにはかなわない。確かによく遊んだおもちゃだけれど、それにしたって買ってきたものより「ごみ」がいいだなんて。キミの目には、小さなこの家がキラキラ輝いて見えてるの?
「それなら!」。私は、縛ったごみの中から空き箱をひとつ手に取ると、ホッチキスやビニールがついていないか確認し、もう一度組み立て、ドックフードを入れたのです。「そ~れ!」勢いよく投げると、犬はしっぽをブンブン振りながら追いかけ、つかまえ、おおしゃしゃぎ。まるで、新しいおもちゃの封を開けたときみたいに。
遊び終わったら「ごみ」に。でも、いらない空き箱ができたとき、「新しいおもちゃ」はまた誕生する。飽きる暇なんてないくらい次々と。
ちょっとだけひざを折り同じ目線になってみたら、私にも、我が家がキラキラ輝いて見えてきた。キミには本当にかなわない。キミはありふれた日常から幸せを生み出す天才だ。(つづく)
※写真は、使い終わったセロテープの芯。私が転がしたところをつかまえて、ひっぱったり噛んで遊んでいるところ。