[犬愛しつけ法]犬との信頼関係の築き方3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

ともだちになろう(3):ナカナオリ (第60号, 2007/6/21)

犬って、駆け出して、転んで、すりむいたのに、痛いのも忘れて遊んでる子供みたい・・。

「なんでこの子、私とぶつかってうれしそうなんだろう?」。犬とぶつかったとき「痛くなかった?」と心配して覗き込むと、そこにはしっぽを振りながらうれしそうに私を見上げるあの子の顔があって、私はそれが不思議でなりませんでした。

「犬は、楽しいことと組み合わせて経験したことを好きになる」。ボールを投げたり、ひっぱりっこしたり、追いかけっこしたり・・私たちは遊びながら、手があたったり、足がぶつかったりすることも繰り返してきた。そしてそれらは、犬の中で「怖がらなくてもいいこと」として消化されてきた・・。

怖がっているときにこそ明るく振る舞うようになったのは、そのことに気づいてから。ほら、あのときも。うちの犬が、ときどき遊びに来てくれるメス犬のカノジョのお尻に鼻をつっこむようにして嗅ぐもんだから、カノジョが嫌がって・・。

「ごめんねぇ、うちのはしつこいのがたまに傷なの」。いよいよとなったら離れてもらわねばと、うちの犬に手を延ばしながら、私はカノジョに楽しげに話しかけ続けたっけ。「いい子ね、大丈夫よ」友人は、カノジョの体を撫でて励ましてた。

あのときも。カノジョがうちの犬の顔をベロンとひとなめ。それはそれは、あま~いキッスのような優しい優しいベロンだったのに、あの子ったら「頭まっしろ」みたいな顔で固まっちゃって。

「びっくりした?たしかに初めて見るサイズの舌だったね(笑)」と私。「ごめんね~。うちのに悪気はないの、ちょっと大きいだけで(笑)」と友人。「ハイッ“なかなおり”のごほうび」。明るく振る舞うだけじゃ足りないときには、おいしいものも。練習した「順番にごほうび」(前号)がこんなとき役に立つんだ。

そういや、最近のあの子たちは「昔からいる2匹」みたいな顔してる。カノジョからのキスに震え上がるうちの子も、おしりの臭いを嗅がれるカノジョを「嫌がってない?」と心配そうに見ている私たちももういない。その代わり増えたのは、別れ際「帰らないもん!」と踏ん張ってカノジョが動かなくなるという幸せな悩み事。(おわり)