太陽の下(2)

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

太陽の下(2):魔法の鉢(第53号, 2007/4/11)

私が大事にしている庭の植物たちを、犬がイタズラすることに困っていたとき、私がまずしたことは、背の高い鉢に植え替えて犬が届かないようにすることでした。でも・・

「これだけじゃうまくいかないんだよな」。私にはそれが嫌というほどわかっていたのです

だってほら、私のノートをイタズラするから、テーブルの上に置くようにしたら、テーブルからわずかにはみ出したノートの端に狙いをつけてジャンプ!で取ることを見事に覚え、ポケットティッシュをイタズラされまいと、かばんにしまうようにしたら、ほんのわずかに空いた隙間に鼻をつっこんで器用にファスナーを開けるようになり・・。

「取り上げたり、隠したりするだけでは、解決しない」。いくら人間が隠しても、取り上げても、それが必要なら、犬はなんとかしてそれを手に入れようとする。そうでなくちゃ、過酷な自然の中で生きてはいけない。

いくら背の高い鉢に植え替えても、それに代わる楽しみが得られずに、植えられているものが気になり続ければ、よじ登ったり、ジャンプしたり、いつの日か高い鉢の上まで到達するに違いないのです。

だから「環境を変える」に加えてもうひとつ、犬から取り上げてしまったものと似ているものを。それによって、私は自分の大事なものを守り、そして犬も大事なものをちゃんと手にすることができる・・。

問題は「何をあげればいいか?」です。ノートをビリビリ破るなら空き箱や封筒で作ったおもちゃ、ティッシュをクチャクチャしてるならガム。似たおもちゃを買ったり作ったりしてきた私だけれど、今回は難しい・・。

私は随分長いこと考えた末、小さな鉢を買ってきました。しかしその何の変哲もない小さな鉢が、今まで気づけなかったうちの犬の一面を私に見せてくれることになるなんて!(つづく)