犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
「ソレ、すごくいい!」。そのアイディアを聞いたとき、私は心底感心してしまいました。
朝目覚めると、うちの犬が飛んできてまだ寝ている旦那さんの顔をペロペロ。人間が起きてるかどうかなんておかまいなしのカレは、自分が目覚めれば「おはよ~」とペロペロ。「睡眠妨害!」です。
そこで、ルールを作ったそうです。「目を閉じている間は相手をしない。その代わり、目を開けているときには思いっきりスキンシップしてあげる」。
いつしかうちの犬は「目、開けてるかな」と確認するように、寝ている旦那さんの顔をジーッと覗き込むようになりました。ペロペロしたい衝動をこらえるかのような生つばゴックンのその顔があんまりおかしくて、コッャ褐ゥている私はもう噴き出さずにはいられない!
私たちはいつの頃からか、そんなルールをいくつも作って生活するようになりました。「“開けゴマ”すわってごらん、扉が開くよ」「ピンポン鳴ったね。玄関まで一緒に“よーいドン”しよう」。
ボールを取ってくる、かくれんぼ、どっちに入ってる?・・ルールのある遊びは犬をみるみる変える。そのことを知った私が、それを日常にまで広げていくのは自然な成り行きだったのです。
「さぁ、どうしたら扉が開くかあててごらん!」私たちの毎日は、そんな楽しいゲームの連続。「飛びついちゃダメ」って叱らなくても大丈夫。私が投げたボールを落としたとき「落としちゃダメ」って言う必要があった?ううん、そんなこと言わなくたって、いや、言わなかったからこそできるようになったんだ。
「失敗を繰り返しながら、自分で“正解”を見つけたとき、それは本物の力になる。決して忘れない」。それはきっと、犬とルールを共有することを「遊び」を通じて知った私だから気づけたこと。遊びながら学んでいたのは犬だけではなかったようです。(おわり)