[犬愛しつけ法]犬になめられない方法2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

リーダーになろう!?(2):優しきリーダー (第38号, 2006/11/11)

「リーダーになるってこういうことか!」

ひらめいたのはあの瞬間。「ハ・ウ・ス♪」と言うなり「待ってました!」とばかりにハウスの中へスライディング。あまりの勢いにハウスが後ろへ30センチ動いたあの瞬間。

ハウスに入ったらごほうび。ドックフード、おやつ、ガム、おもちゃ・・とにかく楽しいことがあるように。ハウスの中で嫌な思いをすることがないように。ハウスの外より中で楽しいことがあるように。私が考えていたのはただそれだけだったのに。「ハ・ウ・ス♪」のひとことで喜んで犬をハウスさせてしまう私の姿は、まるでリーダーのように見えたことでしょう。

「ハウスに入れるんじゃない。入りたくなるには?って考えるんだ!」。それまでの私ときたら「やめさせよう」「やらせよう」ばかり。「どうしたらそうしたくなるか」なんて考えたことなかった・・。

それからはもつれた糸がほどけていくようでした。「おすわりが一番好きな姿勢になればいいんだ!人間の食事中だって、ブラッシングのときだって、“すわっていたいからすわってる”ならお互いハッピーだもの」。「なかなか振り向いてくれないのは、“引っ張っちゃダメ”って怖い顔してたからなんだね。“こっち向いてくれてうれしいよ”ってニッコリ笑ってあげよう。私と並んで歩きたくなるように」。

私は決めました。「どうせなら優しいリーダーになろう」と。ときには優しく手を引くように、ときには背中をそっと押すように、犬をいい方向へ“リード”するリーダーに。叱られたくないからじゃなく、私のことが好きだから耳を傾けたいと思われるリーダーに。

あれから6年。私は確かに「優しきリーダー」を目指して歩いてきたけれど、知らぬ間にそこを通り過ぎ、違う場所へたどり着いていました。「あなたは自分の犬にとってどんな存在?」 この問いに、今の私なら迷わずこう答えることでしょう。(つづく)