[犬愛しつけ法]イイコで留守番させる方法3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

おばあちゃんとお留守番(3):オ・カ・エ・リ(第36号, 2006/10/21)

いよいよ本番!今宵私は、旦那さんと焼肉デート。そしてうちの子は“おばあちゃんち”でおばあちゃんとふたりでお留守番。

準備するのは、ドックフードやおやつを詰めたキャンディ型のおもちゃ、ささみを凍らせた氷、そして大好きな豚のミミ。「これは特に好きなものだから、間がもたなくなってきた頃にあげてくださいねってお母さんに伝言しておかなくちゃ・・」。

心配なのは、ふたりがいっぺんに出掛けることで、一気に不安になっておもちゃで遊ぶどころではなくならないか?!ということ。そこで旦那さんには、私が犬をドライブに連れ出している間に出掛けてもらうことに。台所のテーブルに並んだ豚ミミやおもちゃの数々が気になって仕方なかった犬は、ドライブから戻るなり一目散に台所へと消え、そこで私は母とバトンタッチ。家を後にしたのです。

1時間後。「いつかみたいに、玄関でジリジリ待ち続けてたりして・・」。私たちは食後のコーヒーもオアズケにして家路を急ぎました。そーっと玄関を開け、恐る恐るリビングを覗き込んだ私たちが目にしたものは・・

リビングのド真ん中、おもちゃの残骸に囲まれて、後ろ足を投げ出したお決まりの「大」の字ポーズで豚ミミにむしゃぶりついているあの子の後ろ姿でした。「パタパタ」・・ほんの数回しっぽを揺らし「オ・カ・エ・リ」とかろうじて挨拶してくれたものの、私たちを振り返ることさえなく豚ミミに興じ続けるその姿に、「コーヒー飲んで帰っても大丈夫だったじゃない?!」と私。「冷たいじゃない!“待ってたよ”って駆けて来ると思ったのに」と旦那。でもそれは、おばあちゃんと楽しく留守番できていたことを何より明白に物語っていて、私たちはそれでもう助ェでした。

あの夏、うちの犬はできなかったことがまたひとつできるようになり、そして私は、留守番前にどんな準備をすればいいのかを知りました。「留守番の時間は、もう少し延ばせそうだね」「おもちゃの数は少しずつ減らしていくといいかな」。次にやってくる夏も、きっとまた私たちを成長させてくれるはず・・そう確信できた星のきれいな夏の夜でした。(おわり)