犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
「ケチくせぇなぁ」。
そう、私はケチなの。ささみジャーキーが好きなのを知ってて、小さく刻んでしかあげないし。チーズが好きなのを知ってて、緊張しっぱなしの動物病院でしかあげないし。せっかく買ってきた新しいおもちゃだって、お客さんが来たときとか、いざというときにしか封を開けないし。楽しみにしてる豚のミミだって、「えっ?切れる?それは無理じゃない?」なんて外野の声をもろともせず、大きなハサミを駆使して半分に切ってからしかあげないし。
え?それはお前の性格か、だって?嫌だなぁ、大きなままあげたら太るでしょ。あの子の体重は私の十分の一。人間にとっては小さくても、犬にとっては結高ネ大きさなんだよ。
日に何回もあげるからだろう、だって?犬がしっぽをフリフリ喜ぶものは何でも“ご褒美”になるんだよ。大きさを半分にすることで、「えらいぞ!」って褒めてあげられる回数は倍に増えるんだ。犬のイイトコロは遠慮なくたくさん見つけて、その気持ちはその場その場で伝えてあげたいな。
せめてチーズみたいな大好きなものをいつでもあげなよ、だって?いつもあげてたら飽きるでしょ。毎日が夏休みだったら、夏休みに心躍らなくなっちゃうように・・ネ。いつの間にか動物病院にいることを忘れてご機嫌になってる!初対面のお客さんとすっかり仲良くなってる!犬にそのパワーを授けることができるのは、いつもお目にかかれるわけじゃない「犬が楽しみにしてやまないものたち」だからこそなんだ。
私は胸を張ってこう答えるさ!「ケチで結香v。噛むことだって、飛びつくことだって、吠えることだって、犬として当然のことなのに、人間と一緒に暮らしているがゆえに、その行動を変えてもらわなくちゃいけないことがある。そんなあの子に私がしてあげたいことは、「やめなさい」と説得することじゃないんだ。今好きなものが飽きることなくいつまでも好きであり続けられるように量や頻度を考えて、そしてそれを、人から愛される行動を身につけていけるように、さりげなく生かしてあげること。
キミがいつまでも楽しく学習し続けられるなら、私は喜んで「ケチ」と呼ばれるよ! (つづく)