[犬愛しつけ法]犬との快適ドライブ法3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

ドライブへ行こう(3):すわりたくな~れ!(第16号, 2006/4/1)

今日も私は、犬とドライブです。「この子にもがよく見えるように」と助手席に置いた黄色い椅子に、犬を乗せてあげます。「早く行こうよ!」椅子の上でそわそわ。私はだまって、犬が自分ですわるのを待ち、すわった瞬間「えらいね、さぁ行こう」。ごほうびをあげて、エンジンをかけます。

「楽しい?今日はいいお天気だね」。車を走らせながら、私はうんと楽しげに話しかけます。ただし犬がすわっているときにだけ。私から話かけてもらえるというごほうびが、すわっているときに犬にもたらされるように。

もし助手席に椅子がなかったら、どうなっていたでしょうか?「おすわり」と言えばたしかにすわるでしょう。しかしそれでは、小さなうちの犬には外がまったく見えなくなります。「外が見たい」とまた立ち上がり、私はそのたびに「おすわり」と言い続けざるを得なくなるでしょう。それを言い続けることですわるようになったとしても、「本当は外が見たいのに・・」と我慢し続けるばかりのつまらない時間になってしまうに違いありません。

だから私は「どうしたらすわらせられるか?」ではなく「どうしたらすわっていたくなるか?」と考えたのです。黄色い椅子を置くことで、すわっている時間は圧倒的に長くなりました。すると犬に2つのごほうびをあげることができます。「私から話しかけられること」そして「外が見えること」。

犬が欲していることは、「ごほうび」になります。揺れる車中、窓にかぶりついている犬の姿からわかるのは「外を見たがってるんだ」ということ。すわりながら外を眺められるようにすることで、「外が見える」というごほうびがすわっているときに得られることになります。でも逆に、椅子がなければ立ち上がったときにしかそのごほうびを手に入れられません。これでは、立ち上がることばかりが学習されてしまいます。

犬がすわる黄色い椅子には、赤いセーターを着たプーさんが両手を広げて笑っています。「すわりたくな~れ!」。まるで、うちの犬におまじないをかけてくれるかのように。(おわり)