子犬のトイレのしつけ(1)

犬を飼い始めた人が「これだけはできなきゃ困る!」と思うのがトイレのしつけだろう。しかしその一方で、犬がどのようにトイレを認識し、どうしたらトイレを覚えるのかということについての情報はあまりにも乏しい。そこでここにご紹介しよう。心理学を元にした犬のトイレトレーニング法である。

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Q.犬のトイレのしつけ、うまくいくポイントは?

1. 叱り方
2. ゴハンの量
3. おやつのあげ方
4. その他

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おしっこが出るしくみ

子犬は、どうして、飲むとすぐにおしっこするのでしょうか?

子犬のおしっこの回数はどうして多いのでしょうか?

子犬の体の中で生成されたおしっこは、膀胱にたまります。子犬の体はとても小さいですね。膀胱も同じで、まだとても小さいのです。だから、たくさんのおしっこを溜めておくことができません。これが、子犬のおしっこの回数が多く、飲むとすぐにおしっこする理由のひとつです。

体が大きくなるにつれて膀胱も大きくなると、たくさんのおしっこをまとめて排泄することができるようになります。

遊んでる最中に突然おしっこしてしまいます。

人間にも膀胱があります。膀胱にたくさんの尿が溜まっても、コップから水が溢れるように自然に膀胱から排泄されることはありませんね。ここではおしっこしちゃだめ!ここでならおしっこしていいぞ、とちゃんと排尿をコントロールしているのです。膀胱の周りにある括約筋という筋肉がおしっこを出したり、留めたりする”バルブ”の役目をしており、排泄してかまわない場所でのみ排尿が起こるような仕組みになっています。

犬にも括約筋があります。子犬はまだ括約筋が未発達です。バルブがゆるい状態です。だから、膀胱に尿がたまるとその場でおしっこが出てしまいます。これが、子犬が突然おしっこするように見える理由です。

体が発達するにつれ、括約筋も発達します。バルブを閉めたり、緩めたりすることができるようになると、おしっこしたいな、と思ったときに、その場でおしっこしてしまうのではなく、トイレに行くまでの間バルブを閉めておくことができるようになります。

うんちが出るしくみ

うんちも同じです。うんちがしたいと感じたときに、その場でうんちが出ていたら大変なことになりますね。ここではうんちしちゃだめ!ここでならうんちしていいぞ、というコントロールを可能にするために、肛門の周りにある括約筋が、うんちが出ないようにバルブを締めたり、緩めたりする役目を果たしています。

そして、犬の肛門にも括約筋があります。発達途上にある子犬は、括約筋も発達途上です。バルブを上手に閉めておくことができないため、食べたらすぐにうんちしてしまったり、遊んでいる最中に突然しゃがんでうんちを始めたりするのです。

体が大きくなるにつれ括約筋も発達し、バルブを閉めたり、緩めたりすることができるようになると、その場でうんちをしてしまうのではなく、トイレに行くまでの間バルブを閉めておくことができるようになります。

犬にしつけてあげること・・

トイレでおしっこ・うんちができるようになるためには、次の3つのことを犬にしつけてあげる必要があります。

- おしっこ・うんちをしたいなと思ったときにバルブを一旦閉める
- トイレに行く
- バルブを緩めて排泄する

これができるようになるには、2つの要素が関係しています。

まず第一に、「ここがトイレだよ」ということを根気よくしつけてあげる必要があります。人間が設置したトイレは、人間にとっては「犬のトイレ」ですが、犬から見たらただの、紙の敷いてある場所ですね。そこがトイレであることは、人間がしつけてあげなければ、犬にはいつまでも伝わりません。これから順に、どうすれば犬に「ここがトイレだよ」ということをしつけてあげられるのかを解説します。

そして、忘れてならない2つ目のポイントは、体の発達も不可欠だということです。膀胱が小さかったり、括約筋が未発達な状態では、トイレまで歩いていく前に、排泄が起きてしまっても仕方がないですね。バルブを閉めたり、緩めたりすることができるだけの体の発達を待ってあげることも、トイレのしつけの完成に必要な要素です。

トイレのしつけのその先に・・

焦らずに、犬の成長を見守るような気持ちで、楽しく前向きに取り組みましょう!最初は、トイレの場所などおかまいなしに、あちらこちらで排泄していた犬が、自分でトイレに行って排泄し、「トイレでおしっこ・うんちしたよ!」と自信に満ちた撫薰ナあなたを見つめてくれるようになったらうれしいですね。

同時に、ここでご紹介をするトイレのしつけには、これから長く続いていく、あなたとあなたの犬との生活に広く役立つ要素がちりばめられています。人間は、犬の行動を先回りして望ましい行動を引き出してあげることの大切さや、本当に誉めてあげたい気持ちを伝えるには人間は何をしなければならないのかを知ります。そしてその気持ちが通じたときには、犬がどんどん変わっていくことを実感できるはずです。そして犬は、トイレの場所を覚えるだけでなく、どうしたら誉めてくれるの?と人間に注目し、生き生きと動き、人間にはたらきかけてくれるようになってくれるでしょう。

トイレのしつけをきっかけに、あなたとあなたの犬との絆が深まっていく・・そんな楽しく前向きなトレーニングにしましょう!