人と犬、コミュニケーションのメカニズム

Q.犬のしつけには最適な時期があります。それはいつでしょう。

1. ~6か月
2. ~1歳
3. ~2歳
4. 2歳~

コミュニケーションの橋をかけよう!


目と目を合わせて通じ合う。そんな関係が築けたら・・

犬は生まれながらにして、人間の発する「いい子だね」の言葉を 誉め言葉” として理解するわけではありません。あなたと生活を始めたその日からすぐに、人間の声のトーンを聞き分けたり、人の表情を読み取ることができるわけでもありません。

私たちは、 犬にゴハンをあげたり遊んであげたりするとき、自然に優しいまなざしで犬を見つめ、楽しげな声で「いい子ね」 などと口にします。犬にとって楽しいできごとと、そのような人間の動作や声のトーンが結びつき、犬は、 「いい子ね」 と声をかけてもらったり、人間からにっこり微笑でもらうことが大好きになります。こうして、あなたが笑顔で発した「いい子ね」 という言葉が、あなたの犬を喜ばせる ”誉め言葉” として機能するようになります。

人間は犬と、言葉で通じ合うことはできません。それでもこのような過程を経て、言葉に頼らない、”誉める = 相手を喜ばせる” ことによる ”コミュニケーションの橋” を犬との間にかけることができます。

せっかく誉めてあげてるのに・・

橋がかかるまでの間には、きっといろいろなことがありますね。誉めてあげているつもりなのに、それが犬に伝わっているのか確信がもてず、もどかしく感じることもきっとあるでしょう。予想もつかないようなやんちゃっぷりに 「こんなにかわいいと思っているのに、誉めてあげたいと思ってるのに、どうしてわかってくれないの?」 とイライラしてしまうこともあるかもしれません。自分の想いが相手に伝わらないことほど、辛いことはありませんね。


これがクリッカー。裏面のステンレス版を押しカチンと音をさせて使う。

そんなときには、クリッカーを使ってみるのもいいでしょう。クリッカーを使うことで、 犬ってこんなにうれしそうな表情するんだ!変わるんだ!これが誉めてあげたい気持ちが伝わったっていうことなんだ・・」 といち早く実感することができます。そしてそれを実感することで、余裕を持って自分の犬に接することができるようになります。そしてそれは、「ついイライラして・・」 「どうしていいのかわからなくて・・」 と声を荒げたり、手をあげたりすることを防いでくれます。信頼関係は、時間をかけて少しずつ築かれます。イライラが募り、怖い顔ばかりしていることで、「誉めてもらってうれしいな!」 と感じてもらえる日が遠のいてしまうのはもったいないですね。

クリッカーって何?という方は
コチラを読むといいでしょう。

どうしてクリッカーならうまくいくの?

クリッカーを使い始めると、「表情が生き生き、とてもうれしそう!言葉で誉めてあげるだけでは、こうはいかなかったのに・・」とたいていの方が驚かれます。それはなぜなのでしょうか?あなたの犬は、毎日、たくさんの人間の声に囲まれて生活しています。あなたやご家族の声、テレビから流れる人間の声・・。このような日常にあふれる人間の声の中から、どれが自分に向けられた 誉め言葉” なのかを聞き分けることは、犬にとって難しいことなのです。

クリッカーならどうでしょうか?普段は耳にしないクリッカーの「カチン」 の音を ”誉めのサイン” として使うことで、あなたの表情を読み取ったり、声のトーンを聞き分けることが今はまだ難しいあなたの犬にも、確実に「誉められたんだね。楽しいね。」と確実に感じることができます。


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”誉めのサイン”を見つけてごらん!

クリッカーを使うようになると、あなたの犬にうれしい変化が起こります。それは、”誉めのサイン” に敏感になる、ということです。

クリッカートレーニングを通じて犬は、たくさんの”誉められる体験” をします。そして、 「また誉めて!」 と一生懸命に ”誉めのサイン” を聞き分けようとするのです。このように、誉めてもらった行動を学習するだけでなく、日常にあふれる音の中から、どれが自分に向けられた”誉めのサイン” (= クリッカーの 「カチン」 の音) なのかを上手に聞き分けることも学習していきます。

あなたの犬がこのような成長を見せたときには、最初はなかなか聞き分けることができなかった いい子ね」 の言葉も、前よりずっと聞き分けやすくなっているはずです。クリッカーを鳴らすときに、うんと楽しげに 「いい子ね!」ど ”誉め言葉” を添えてあげてください。今度は、大好きなクリッカーの音とあなたの ”誉め言葉” や優しい笑顔とが結びつき、あなたの声や表情を敏感に感じ取ることができるようになっていきます。

注意: よりわかりやすくするためには、いつでも同じ言葉を使ったり、声のトーンや表情、表現をオーバーにして、ただ普通に話をしているときと、誉めてあげているときとの違いをわかりやすくすといいでしょう。


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”誉め上手”になろう!

クリッカーを使うようになると、人間にもうれしい変化が起こります。それは、”誉め上手になる、ということです。

犬を誉めてあげるということは、簡単なようで実は難しいことなのです。私たちは、悪いところにはよく気がつきますが、いいところにはなかなか目がいかないものです。でもクリッカーを握ると、自然と犬のいいところに目がいきます。せっかく買ったクリッカーなのです。いいところをひとつでも見つけて、1回でも多く鳴らしてみたいですよネ!こうやって、いいところを見つける練習を人間もしています。

犬を誉めてあげるにはタイミングが大切です。相手が人間なら昨日の○○すごくよかったよ~!」 と過去のことを話題にしても、何を誉めてあげているのか伝わります。でも相手が犬の場合には、そうはいきませんね。犬をいつでもよく観察し、「あ!よくできたね!」と思った瞬間にタイミングよく犬を喜ばせてあげる必要があります。

人間にも、何かが上手にできるようになるのには、練習が必要ですね。クリッカートレーニングに取り組むということは、犬をトレーニングしながら実は、人間も誉め上手になるための経験をつんでいるのです。そして楽しみながらクリッカーを鳴らすうちに、自然と「あ!今のいいね」 そう思った瞬間に、自然とアクションが取れるようになっていきます。

「誉めるって難しい・・でも誉めてあげるって楽しい!」犬との生活を始めたあなたに、ぜひそんな経験をして欲しいのです!


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あなたらしい”誉めの表現”を!

どのようにして犬との間にコミュニケーションの橋” をかけていくのか・・その答えは、飼い主さんの数だけあります。クリッカーを使わずに、時間をかけて築いていくのでもちっともかまいません。

「最初は、クリッカーを使いました。でも今ではいい子ね」 という私の言葉によく反応してくれます。だからこれからは、クリッカーではなく、私の ”誉め言葉” で犬とコミュニケーションしていきます!」それでももちろんいいのです。

より早く、効果的に何かを教えてあげるために、新しい課題に取り組むときにはクリッカーを使い、徐々に誉め言葉” を使うようにすることを課題ごとに繰り返す、というのも、とても効果的な使い方です。

「うちの犬はクリッカーが大好き!そして私もカチン」 の音が聞こえたときに見せるうちの犬のなんともうれしそうな表情が何より好き!だから、これからもずっとクリッカーを使います!」そんな飼い主さんと犬のペアがいてもいいですね。

私たちは、犬と言葉で通じ合うことができません。だからこそ、誉めることひとつをとっても工夫が必要なのです。クリッカーを使うこと、いつでも決まった誉め言葉” を使ってあげること、声のトーンや表情を大げさにして、わかりやすくしてあげること・・。 ”誉めの表現” を工夫することは、人間社会で暮らすあなたの犬への思いやりでもあります。どうぞ、あなたの犬が無理なく誉めてくれたんだね。うれしいな!」 と感じることができるような、あなたの犬のための ”誉めの表現” を見つけてあげてください。それは、あなたと犬との間に、何があっても揺らぐことのない、強くて大きなコミュニケーションの橋” をかけてくれるはずです。