子犬のトイレのしつけ(4)

犬を飼い始めた人が「これだけはできなきゃ困る!」と思うのがトイレのしつけだろう。しかしその一方で、犬がどのようにトイレを認識し、どうしたらトイレを覚えるのかということについての情報はあまりにも乏しい。そこでここにご紹介しよう。心理学を元にした犬のトイレトレーニング法である。

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Q.犬のトイレのしつけ、うまくいくポイントは?

1. 無視する
2. 音をさせる
3. おやつをあげる
4. その他

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ご褒美の頻度を減らしましょう

おしっこ・うんちしたいな、と思ったときに、自分でトイレに行って排泄することがほぼ100%できるようになったら、トイレのしつけも終盤です。 これまでは、トイレで排泄するところを見かけたら、必ずご褒美をあげるようにしていましたね。徐々にその回数を減らしていきます。

いきなり、全くご褒美をあげるのをやめてしまうのではなく、徐々に頻度を減らします。3回に2回、2回に1回、3回に1回、4回に1回・・・というように減らしましょう。この減らし方は、規則的である必要は全くありません。3回に1回あげた後には、2回、連続であげる・・というように、いつご褒美をもらえるのかわからないように与えるのがポイントです!

毎回同じご褒美ではなく、あるときは言葉で誉めるだけ、あるときは、おもちゃで暫く遊ぶ・・というように、ご褒美の種類を変えていってもいいでしょう。

Q. 褒美をもらえることを期待しているので、減らしにくいのですが・・

ご褒美をあげるかあげないかは、飼い主さんが決めます。ご褒美を催促しているかしていないかで決めてはいけません。

催促に応じて、ご褒美をあげるのでは、人間が犬から「ご褒美を出して」と指示されている状態です。今回はあげない、と決めたら、どんなに催促していても、知らん顔をしていてください。催促に負けてしまうようなことがあれば、それは、「催促すれば、人間はいつか折れてご褒美をくれる」ということを学習させてしまいます。これから先、毎回必ずご褒美があげられるとは限りませんね。1回ご褒美をあげられなかったからといって、「なーんだ!それじゃ、もうトイレではおしっこしないよ」と思ってしまうようでは困るのです。

誉められるか、誉められないかに関わらず、「今度は誉めてくれるかな?誉めてもらえるように次もがんばろう!」といつでもいい行動をしてくれるような犬に育って欲しいですね。そしてそれは、あなたをリーダーとして認めてもらうためにもとても大切なステップです。

ぜひ新しいしつけへチャレンジを

みなさんには、トイレでおしっこ・うんちをした直後にご褒美をあげる、というしつけにチャンレンジしていただきました。ぜひしつけを始める前のことを思い出してみてください。数週間前、数か月前には、トイレの場所がわからず、あちこちで失敗していたでしょう?

トイレでの排泄にご褒美をあげることにより、犬の行動にいろいろな変化が起こりましたね。自分でトイレに行って排泄するようになったこと以外にも、「ご褒美くれるの?」と人間を意識したり、「トイレでおしっこしたよ!」と意気揚揚と報告しにくるようになったかもしれませんね。

これらの行動の変化は、すべて犬の学習の軌跡です。私たちは、望ましい行動の直後にご褒美をあげることによって犬の行動を望ましい方向へ伸ばし、「どうしたら誉めてくれるの?」と人間の期待に応えようとする心を育てることができます。

トイレを覚えたら、次は、別の行動をしつけるのにこの方法を使ってみましょう。おすわりのしつけをしたいのなら、おすわりした直後にご褒美をあげればいいですね。お手のしつけをしたいのなら、犬の手をあなたの手に乗せるように仕向けて、乗せた直後に、いかにも犬が自分でお手をしたかのように大げさに誉めて、ご褒美をあげればいいのです。これまでは、トイレでおしっこできたかな?と犬の様子に気を配ってあげていましたね。これからは、「いい子にしてるかな?」と犬の様子に気を配り、ひとりでいい子に遊んでいたり、おすわりして待っているようなときに、誉めてあげるといいですね。トイレ以外の行動にご褒美が与えられることにより、しつけ中に見られた排泄回数の増加などの現象も落ち着いていきます。

トイレを覚える過程がそうであったように、犬との生活は、望ましい行動を誉めることの繰り返しです。あなたが誉めてあげることによって、犬が少しずつ行動を変え、学習していることを心から喜んであげてください。毎日の積み重ねによって、最初は全くできなかった「トイレで排泄する」ということができるようになるように、誉めることの繰り返しにより、あなたの犬は、人間と一緒に暮らしていく上で望ましい行動を少しずつ、かつ確実に、身に付けていくのです。